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ROOF-NETなのに なぜ音楽なの?

ROOF-NETなのに なぜ音楽なの?

 能に「絃上(げんじょう)」という名曲があります。どんな内容かというと…
ーーー昔、唐から琵琶の名器が渡ってきた。絃上、獅子丸,青山の三面じゃ。じゃが、途中、龍神に船を難破させられ、獅子丸を龍宮に奪われてしもうた。無事に日本に着いた三面は、宮中の宝物にされたのじゃーーー(平凡社「マンが能百番」渡辺睦子より)。
 これに増田正造が次のような解説をつけています。


 絃上(玄象)日本の貴族は、単に権力者ではなかった。文学も音楽も身に着けた、いわば最高の芸術生活の実践者たちであった。中国への留学を志す大臣。日本にもこんなに優れた音楽家がいるのに、とそれを止める村上天皇夫妻。昔は国威宣揚の能と解釈されていたが、そうではない。芸術の感性の物語であり、龍宮から琵琶の名器を取り寄せて海の演奏会をひらく、雄大な能である。戦争中は天皇夫妻は不敬、光源氏に変えろなどと軍部が介入した。


 天下に隠れなき琵琶の名手である太政大臣藤原師長(もろなが)が、琵琶の奥義を極めようと渡唐を志し、須磨の浦まで来て、汐を汲んでかえってきた老夫婦に、一夜の宿を頼み、乞われるままに琵琶を弾きます。
 にわかに村雨が降りだすと、老夫婦は屋根に苫を葺きます。
 ??と思った師長が「雨洩りしている訳でも無いのになぜ?」と聞くと、おじいさんは「今あなたが弾いている琵琶の曲は「黄鐘(おおしき)調」、屋根の板屋を敲く雨の音は「盤渉(ばんしき)調」、だから苫を葺いて雨音を整えた」と言います。
 師長はこれに感心し、音曲の嗜みがあると見て、一曲所望します。
 そこで老夫婦が琵琶と琴をを弾きますが、その見事さに師長は自分の未熟を悟り、家を抜け出します。老夫婦はこれを引きとめ、実は村上天皇と梨壺女御であることを明かし、龍宮から名器の琵琶獅子丸を取り寄せ、師長に授けます。師長が奏でると、天皇も秘曲を奏して舞をまい、やがて師長は都へ帰っていきます。


 謡曲としては比較的早い段階で習うものですが、初めて謡った時、日本人の音楽的感性、自然と一体化した豊かな知性・感性に何か誇らしい気持ちになりました。

 それ以来、屋根という字を見る度にこの曲が浮かんで来るのです。

 「ROOF-NET」が次世代に伝承したいと思っているのは、技術、知恵、だけではありません。ヒトらしく生きられる環境、生きるに値する感性です。だから本サイトは屋根の話だけでなく、環境、子どもの教育をテーマとします。食や音楽、その他表現芸術の取材にも重きを置きます。ROOFという言葉はたんに雨露を防ぐ建物の部位を指すだけでないことはお分かりだと思います。

…というのが、ROOF-NETになぜ音楽の記事がでるの?という問いの答えですが、実はそれは言い訳。単に主催者が音楽が無ければ生きられない。という極めて単純な理由です。

 ついでにいえばにこのROOF-NETのサーバーの名前は「ネイチャーランド」というくらいですから。

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