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2011年日本建築学会賞

2011年日本建築学会賞

論文賞はヒートアイランド対策の要となる研究

画像の説明
社団法人日本建築学会(Architectural Institute of Japan) http://www.aij.or.jp/が設けている建築の賞。日本国内における建築・建設分野で功績をあげた個人・団体を称え授与される。建築業界ではもっとも権威のある賞。
5月30日に行われる、日本建築学会総会に合わせて表彰式が行われます。今回の受賞者は次の通り。

2011年各賞受賞者(敬称略)は以下の建築学会のサイトで確認できます。
http://www.aij.or.jp/jpn/design/2011/prize2011.htm

2011年日本建築学会大賞
建築に関する学術・技術・芸術の発展向上に長年の業績を通じて,特に著しく貢献した本会個人会員。

  • 規模計画・安全計画・建築人間工学の確立と発展に関する一連の功績
    岡田 光正 (大阪大学名誉教授)
  • 鋼構造に関する塑性設計・耐震設計・限界状態設計の発展と実践に対する功績
    高梨 晃一 (東京大学名誉教授)

2011年日本建築学会賞(論文)
近年中に完成し発表された研究論文であって,学術の進歩に寄与する優れた論文。

  • 都市建築空間におけるヒートアイランド対策効果の定量化に関する一連の研究
    足永 靖信 (国土交通省国土技術政策総合研究所室長)
  • 小屋と倉-干す・仕舞う・守る 木組みのかたち-
    安藤 邦廣 (筑波大学教授)
  • 環境振動に関する感覚評価の特性の解明とその性能評価手法に関する一連の研究
    石川 孝重 (日本女子大学教授)
  • 木造住宅の地震応答解析モデルの提案と応用に関する一連の研究
    五十田 博 (信州大学准教授)
  • 脱施設化の流れにおける現代の施設計画に関する一連の研究
    大原 一興 (横浜国立大学教授)
  • 建築材料の電波特性に関する一連の研究
    河辺 伸二 (名古屋工業大学教授)
  • 鉄筋コンクリート柱梁接合部の耐震性に関する研究
    塩原 等 (東京大学准教授)       
  • 中国の都市・建築と日本-「主体的受容」の近代史
    徐 蘇斌 (天津大学教授)
  • エネルギー吸収部材を有する空間鋼構造の耐震性能
    竹内 徹 (東京工業大学教授)
  • 表現者・堀口捨己-総合芸術の探求-
    藤岡 洋保 (東京工業大学教授)     

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都市建築空間におけるヒートアイランド対策効果の定量化に関する一連の研究(足永靖信氏)は、この夏の深刻な電力不足対策に向けて、注目され、活躍しそうですね。

こんな内容です。(建築学会論文賞受賞理由)

都市建築空間におけるヒートアイランド対策効果の定量化に関する一連の研究

(足永靖信氏)

建築学会論文賞受賞理由

この研究は都市建築空間におけるヒートアイランド対策効果の定量化に関する一連の研究を取りまとめたものである。本研究ではヒートアイランド現象の原因の分析、対策の定量的評価のために必要な数値解析手法の開発、計算に必要な入力データの整備などについて多くの重要な成果が得られており、都市のヒートアイランド対策に関して学術的にも社会的にも大きな貢献をしている研究と判断される。

本研究における一連の研究成果は5章の構成で取りまとめられている。第1章では東京23区の地域について、ヒートアイランド現象に関係する可能性のある都市の建物用途、土地利用、熱源機器からの排熱量などの地域分布など、現象解析のために必要となるデータの分析と整備を行っている。第2章では、建蔽率、容積率等で代表される街区情報を基に、建築物の体積占有を考慮して都市キャノピー層における乱流、建物群の伝熱、空調システム排熱に関する様々な要因を統合的に扱える都市キャノピーモデルと称される数値解析モデルを開発し、そのモデルの実測値による検証を記述している。第3章では、コリオリ力、水蒸気浮力の効果などを標準k-εモデルに組み込んだ広域CFD解析モデルを構築し、高性能スーパーコンピュータである地球シミュレータを用いて、約160万棟の建築物のある東京23区を含む33km四方の領域を5mメッシュで分割し、上空500mまでの3次元計算領域を設定した数値解析を行うことで、東京湾から練馬区周辺までの広い地域にかけて生じている気温性状を詳細に再現している。この広域CFD解析手法は東京都心の再開発が都市温熱環境に与える影響の評価にも用いられ、首都高速高架道路の撤去による風速の増加や東京駅周辺の再開発よる気温低下の可能性を予測している。また、第4章では都市空間の仕上げ材が都市の放熱環境に与える影響が、また第5章では都市の高層化が都市の風環境に与える影響が実験的に解析されている。

本研究の成果は東京都の東京都建築物環境計画制度マニュアル(2005)、ヒートアイランド対策ガイドライン(2006)、江東区環境基本計画(2010)、環境省のヒートアイランド対策ガイドライン(2009)、国土交通省の低酸素都市づくりガイドライン(2010)など、都市のヒートアイランド対策に関連した実務に幅広く活用されている。

以上まとめると、本研究は都市の熱環境および風環境に及ぼす多くの要因を総合的に組み込んで数値的に解析する手法を開発することで、東京都という巨大な都市空間におけるヒートアイランドの原因を解明し、また対策の効果を評価する可能性を示したものであり、当然ながら他の諸都市に対して広く適用することが可能な手法と考えられる。


※※※

リアスホール

津波で甚大な被害を受けた岩手県大船渡市。2009年度の作品賞を受賞し、今年も作品選奨を受けたリアスホール(設計:新居千秋都市建築設計)は、津波被害を免れ、270人が寝泊まりする避難所として使われた。リアスホールの食堂の厨房を使って、被災者に炊き出しをしていた。(3月11日。大船渡港を襲った高さ約8mの津波は、ホールの東側800mほどのところを流れる盛川の土手を乗り越え、川岸の工場群や住宅街を飲み込んだ。)

2011/04/30(土) 08:20:19|ニュース|

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