「ジークフリート」レポート
「ジークフリート」レポート
1人でワーグナーを観にいくということ
ミュージックフォーラムは、あかりクンと「サンドの飯より音楽が好き」な檜原響一朗、と音楽学校学生たちによるコンサートだより“music on the roof”。
さらにあかりクンによる音楽家評伝「ステラ・ムジカ」で構成される予定です。
あかりクンの“music on the roof ①”
今日のmusic on the roof は東京・初台の新国立劇場から、あかりクンによるジークフリートの実況中継です。
「ジークフリート」レポート
一幕完了。歌手、最高。面白い。テクストの読み替えも納得。舞台美術も衣装もファンタスティック。お席もオペラグラスいらずの全景正面。オーケストラの演奏は抑え気味な印象。舞台の引き立て役に徹しているようですが、スピード感抜群でワクワクします。ただし、ワーグナーの音楽が必要なの?…って感じ。お芝居見ながら、CDを聞いているようです。ワーグナーの音楽は「電子レンジでチン」を許すか。作曲者が許しても音楽が許してくれないように感じました。音楽に集中すると眼前の映像がじゃまって言うような贅沢な悩みです。
う~ん、悩ましい。
今日は幸福なご招待で観劇。自分でチケット購入をすると「おそらく満足するだろう」という好みの演目を選ぶので、いつもと違う不思議な感覚で楽しんでいます。
ブリュンヒルデはまだ寝ています。
二幕は人物の動きも増え、一幕で感じたほどの「目」と「耳」の間に違和感はなし。舞台装置は私好み。視覚的なメッセージが強く、つい他の要素を忘れます。これは美術館でCD現象。でも、字幕に目をやり事実関係をしっかり理解したり、決めのセリフ(歌詞)を待ちわびたり。
三幕は圧倒的に「耳」の世界。終幕のジークフリートとブリュンヒルデの二重唱をひたすら待ち続けます。適度な疲労もともなって視覚情報は薄れがち。しかし、冴えてきた「耳」はモチーフを見つけ出しては喜んでいます。時々脳内に目の前の情景とは違う映像も浮かんできます。音の情報は過去に経験、獲得した「お約束」に結び付けてしまうようです。
2時に開演し、終演が8時。演目が長いことは案外平気。辛かったのは一人で過ごす長い休憩時間。今日はスペシャルおしゃれな女性は見あたらず、ファッションウォッチングもいまひとつ。そこで、ロビーの会話を聞くともなしに…「エーゲ海へ出かけるの。海を見ているのって、オペラを観るみたいに楽しいのよ」って素敵な会話。自分の感性で表現するって、最高です。自分の語彙で語りあえるお仲間とオペラ観劇できるって羨ましいです。
私は誰と行きたいか…オーケストラ奏者の名演、例えばチューバのソロに聞き入ったり、低弦の刻みの音色の変化に感心したりする、そんな会話に相槌を打ってくれる人と行きたいなぁ。学生みたいですね。楽しみ方は色々。
- ジークフリートってどんなお話?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%88
- ジークフリートってどんな音楽?
http://ml.naxos.jp/album/oacd9003d
日時:2010.11.FEB.14:00-20:00
会場:新国立劇場
演目:楽劇「ニーベルングの指輪」第2日 ジークフリート
指揮:ダン・エッティンガー
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
2010/02/13(土) 22:00:00|MUSICフォーラム|