「施工と管理」銅屋根クロニクル-47-
「施工と管理」銅屋根クロニクル-47-
初の国宝指定洋風建築にして現存する最古の教会堂
大浦天主堂(長崎県)
大浦天主堂は、開国の後、日本各地に西洋人の指導で建設された教会堂の代表例であり、こののち長崎各地に教会堂が建設されていく起点になった重要な教会建築とされている。2007年には建立当初の設計図(平面図と側面図)がパリ外国宣教会本部古文書局に保管されていた資料の中から発見され、設計図では、瓦葺き屋根、洋風窓で、会堂や廊下などの列柱の位置も現在と同じであることが確認されている。
天主堂の解説によれば「もともと大浦天主堂は、外国人居留地に住む外国人のために建てられたカトリックの教会堂であり、そもそも大浦天主堂が建てられた頃は、キリスト教は禁教であり日本人信徒はいなかったはずだ。にもかかわらず日本語の文字が掲げてあった。それはローマ教皇庁が日本での再布教を願って、開国後、聖地である長崎に26聖人に捧げる新しい聖堂を設立して布教を再開し、日本人信徒を再発見することを望んでいたとみられる。『天主堂』という日本語の文字は、ひょっとしたら存在するかもしれない日本人信徒へのメッセージだった」という訳だ。そして願いに応えるかのように隠れていたキリシタンが発見された。そんな様子も詳しく書かれている。
日本金属屋根協会が毎月発行する機関誌「施工と管理」に「銅屋根クロニクル」を連載させていただいています。この企画は日本の重要な近代建築や寺社建築とその銅屋根を紹介し、板金職人の技と心意気を伝えようというものです。物件と紹介と銅屋根施工のポイントを紹介してゆきます。
バックナンバーはこちら>>http://www.kinzoku-yane.or.jp/chronicle/index.html
銅屋根クロニクル 47 大浦天主堂(長崎県)
2017/10/29(日) 00:04:19|屋根|