フェルメールも画いた「モーセ発見」?
フェルメールも画いた「モーセ発見」?
「聖書と防水三部作」絵画。フェルメールの場合。
モーセ発見:1670年アイルランド・ナショナル・ギャラリー所蔵。
エジプト王ファラオは全国民に命じた「生まれたヘブライ人の男の子は、一人残らずナイル川に放り込め。女の子はみな生かしておけ」。
レビ一族のある男が妻をめとり、女はかわいい男の子を産んだ。3ヶ月間隠しておいたが、もはや隠しきれず、パピルスの籠を用意して、アスファルトで防水し、その中に男の子モーセを入れ、ナイル河畔の葦の茂みに置いた。(出エジプト記2章1~3節)
嬰児殺害を命じたファラオの娘は、水浴びをしようと川へ降り、そこで葦の茂みの中に、アスファルトで防水された籠を見つける。ヘブライ人の子と知りながら王女は助けモーセと名付けた。(出エジプト記2章4~10節)
これはモーセ救出のシーンである。
現存するフェルメール作品は37点。そのうち宗教画は「マリアとマルタの家のキリスト」、「聖女プラクセデス」の初期の2点、そして1674年の「信仰の寓意」合計3点のみである。もちろんこんなタイトルの画はない。
正解は下の画。有名な「手紙を書く女と召使」。背景の壁にかかった画だ。
「手紙を書く女と召使」1670年72.2X59.7㎝。 アイルランド・ナショナル・ギャラリー
旧約聖書の中にアスファルトは3か所に記述があり、いずれも防水と深くかかわる。もちろんこれらは天然アスファルトで、ノアの方舟の防水、バベルの塔の接着・シーリング、ナイル川に流されたモーセの籠の防水に使用された、とある。これらは単なる「お話」ではなく、紀元前7000年頃のメソポタミアの遺跡からアスファルト利用の痕跡が多く出土している。
2012/02/16(木) 02:21:53|「聖書と防水」3部作|