上から降ってくるのは雨だけとは限らない
上から降ってくるのは雨だけとは限らない
田中享二名誉教授が衝撃で講演
巨大台風・竜巻・爆破それらを「想定外」としてよいのか?
防水研究の第一人者、東京工業大学田中享二名誉教授の大学時代の研究領域は実は防水が1/3、コンクリートが1/3、残りの1/3がその他、だったそうだ。その他領域のうち、東工大での研究生活の後半時期に行った「高速飛翔体に対するいくつかの建築材料の衝撃破壊特性」の研究を紹介した。
2014年6月11日、匠リニューアル技術支援協会の総会後の講演会で。左が田中氏。「日本の建物は脆弱過ぎる。これほどガラスを多用したファサードで、いいのか」
竜巻や巨大台風といった自然災害、車両・航空機事故、爆破テロといった人的事故。これらは近年急速に増加かつ激しさを増している。そんな場面で、建築外装材はどんな被害を受けるのか。車両の衝突、風圧力による外装材の飛散、微小な飛散物の衝突、これらに備えて、設計や施工時における対策の重要性を示す実験である。この実験はテロを想定したものであるはずだ。中近東では建物の爆破対策がしっかり研究されているという。
この実験では幅広い衝撃速度域における高速衝撃実験を行い、代表的な建築材料の損傷状況の違いを把握、損傷に影響する物性値について検討した。
飛翔体は桧、ポリエチレン、砂岩、ガラス、アルミ、銅の6種。衝突板はモルタル。事件の結果、玉は板を貫通しなくても、衝撃波で材は高速で吹っ飛んでくる。そんなメカニズムが報告された。
2014/07/31(木) 11:40:56|ひと|