京都三年坂美術館へ「燃土燃水献上図」花器を見に行こう
京都三年坂美術館へ「燃土燃水献上図」花器を見に行こう
世界を驚かせた明治の超絶技巧 花器に彫られたのは「燃土燃水献上図」
燃土燃水献上図銀製花盛器 塚田週秀鏡(大正六年(1917)作。清水三年坂美術館所蔵。写真・木村洋一
日本書紀の天智7年(668年)に、越の国(今の新潟県)から燃える土(瀝青)と燃える水(原油)が献上された、と記載されている。明治・大正期の歴史画家小堀鞆音(ともと)は、日本石油から同社創立30周年事業の一環として依頼され、これをモチーフとした画を残している。塚田秀鏡の最晩年のこの作品は小堀の画を極めて忠実に写している。
石油業界は日本書紀の記述を自らの業界の起源とし、日本石油は創立30周年記念にこの画を小堀鞆音画伯に依頼し、大協石油(現コスモ石油)はやはり創立30周年記念として前田青邨に同じテーマの画を依頼した(紹介すみ)。「燃土燃水献上図」は古代から接着、防水などに使用されていた燃土=瀝青=天然アスファルトを出発点とする日本の防水業界にとっても、業界の起源と考えられる。
ルーファー必見
塚田秀鏡の作品は小堀鞆音の原画の人物の衣装・表情まで忠実に再現しており、防水関係者は、それを間近に見ることのできるこの機会をお見逃しなく。
帝室技芸員の仕事(金工編) 2017年2月18日~5月14日
2階展示室の様子。(許可を得て撮影)手前右端が「燃土燃水献上図銀製花盛器」。直径42.8㎝×高さ39.3㎝。村田館長へのインタビューは次々号で。
2017/04/06(木) 13:26:46|「日本書紀と瀝青」2017|