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今泉勝吉先生を偲ぶ会

今泉勝吉先生を偲ぶ会

11月21日東京・竹橋のKKRホテル東京で、今泉勝吉・元建設省建築研究所調整官、工学院大学名誉教授を偲ぶ会が開催され、約100名が参加した。

城山先生

追悼の言葉を述べる白山和久さん (元建築研究所長・筑波大学名誉教授)。(写真提供:渡部正保(日本樹脂施工協同組合)さん)

元建設省建築研究所研究調整官、工学院大学名誉教授の今泉勝吉氏は、5月8日、多臓器不全のため永眠。葬儀は5月10日に近親者のみで執り行われた。

今泉氏は、昭和28年から53年までの建設省(当時)建築研究所在籍中、同53年から平成6年までの工学院大学教授就任中、その後最近に至るまで、接着剤・塗料を始めとする建築物有機系材料・工法、木構造材料・工法、ならびに建築物の耐久性に関する研究を主導し、多くの業績を挙げた。

「今泉勝吉先生を偲ぶ会」の発起人は次の各氏
阿部道彦、菅原進一、楡木 尭、有馬孝禧、高橋泰一、飛坂基夫、伊藤 弘、多賀谷嘉昭、本橋健司、近藤照夫、 篠原順郎 末綱威夫、寺本英治 友澤史紀 中神章喜、矢内泰弘、吉田偉郎、若井 純。

当日は本橋健司(芝浦工業大学教授)の開会の辞、友沢史紀東京大学名誉教授の挨拶に続いて、以下の3氏が追悼の言葉を述べた。
白山和久 (元建築研究所長・筑波大学名誉教授)、吉田悼郎 (エ学院大学教授)、上村克郎 (元建築研究所長・元宇都宮大学教授)

実行委員会の委員長は友沢史紀氏。その他の委員は次の5氏。
楡木 尭、飛坂基夫、阿部道彦、本橋健司、渡部正保。

今泉勝吉氏の経歴と業績は次の通り

【経歴】
大正15年12月3日生まれ
昭和19年4月官立山形高等学校理類甲種入学
昭和27年3月東京大学農学部林学科卒業
昭和27年4月東京大学農学部大学院入学
昭和28年4月名古屋大学農学部文部教官
昭和28年8月建設省建築研究所研究員
昭和42年1月東京大学より工学博士の学位を授与される。
(主論文題目)建築内装工事における接着工法に関する研究
この間、研究室長、企画室長、研究部長を歴任される。
また、筑波大学芸術学群および東京農工大学農学部の非常勤講師を併任される。
昭和52年11月建設省建築研究所研究調整官
昭和53年4月工学院大学工学部建築学科教授
この間、主任教授、大学院運営委員会委員長、評議員会副議長を歴任される。
平成6年4月工学院大学名誉教授
平成5年5月(社)建築研究振興協会会長
平成10年5月(財)建築保全センタ―保全技術研究所長

【受賞】
昭和46年5月
昭和47年7月
平成元年6月
日本建築学会賞受賞(建築エ事における接着工法に関する研究)
建設大臣表彰(建築材料に関する研究)
ベルギーのリエ―ジュ大学より名誉博士とサンチュベール名誉市民の称号を授与される。

【主な業績】
1.木質材料の性能評価試験方法の研究、集成材の燃え代設計
集成材の接着力評価試験方法の研究をはじめとして、木質系材料の性能評価試験方法に関して幅広い研究を行った。1961年にノルウェーの国費留学生としてノルウェー工科大学に留学し、実大集成材梁の耐火実験を行い、燃え代設計の考えを含んだ研究成果がニュ―ジ―ランド木材学会の論文として公表された。その後の研究経過を含めて、1989年にベルギーのリエ―ジュ大学から名誉博士とサンチュベール名誉市民の称号を得ている。

2.「建研式接着力試験器」の開発
建築工事における接着工法について幅広い研究を実施した。特筆すべきこととして、実験室内での接着強さと建築現場での接着強さを比較するため、現場で適用可能な「建研式接着力試験器」を開発した。この試験器は現在でも幅広く利用されている。

3。広島原爆ドームの保存エ事の指導
補修、改修工事における接着剤の利用広島原爆ドームを保存するため、エポキシ樹脂を利用した保存工事を指導した。我が国でエポキシ樹脂が補修・保存工事に大規模に利用されたのは広島原爆ドームの保存工事が初めてである。その後も、樹脂・接着剤を利用した建築物の補修・改修エ事の標準化や有機系接着剤を利用したタイル張りエ法の開発等に指導的役割を果たした。

4.「材料設計」に関する研究
白山和久博士 (元建築研究所長)が開始した 「材料設計」に関する研究において中心的役割を果たした。これらの成果は建築研究報告44号、51号、56号、58号及び64号にまとめられている。また、―連の材料設計に関する研究の中で建築材料・部材の耐久性研究の重要さを認識し、耐久性研究の推進に努めた。

5. ツーバイフォー工法の研究と我が国への導入
昭和49-50年度に建設省総合技術開発プロジェクト「小規模住宅新施工法の開発」が建築研究所で実施され、その中心的役割を果たした。これにより、ツーバイフォー工法の技術基準類が整備され、我が国でオープン化された。

6.建築研究所建築試験室の業務確立、建築研究所つくば移転
建築研究所に設置された建築研究試験室において防耐火材料の性能評価、通則認定に関わる試験、本省建築指導課との調整等を行い、その業務を確立した。また、建築研究所のつくば移転に際しては屋外暴露試験場の先行的建設、材料実験施設の充実等に尽力した。

7.耐久性総プロ、シックハウス問題における指導
昭和55-59年度に実施された建設省総合技術開発プロジェクト「建築物の耐久性向上技術の開発」において非構造分科会の主査として、外装仕上げ、建築防水の診断技術;補修技術、耐久設計指針のとりまとめを指導し、その中で産・官・学の若手研究者を指導・育成してきた。これらの研究成果が現在の国土交通省官庁営繕部の 「建築改修工事標準仕様書」につながっている。また、シックハウス問題に対応して国土交通省等が設置した健康住宅研究会において委員長を務め、平成10年に 「設計・施エガイドライン」、「ユーザー・マニュアル」を作成した。

8.伊勢神宮の式年遷宮における耐久性調査・技術指導

2011/12/06(火) 17:11:11|ひと|

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