半年遅れのコルビジェ対談が実現
半年遅れのコルビジェ対談が実現
コルビジェが目指したもの「船と建築」
五十嵐太郎(左)× 遠藤秀平(右)
世界が驚いた大震災の翌日、3月12日。当時、日本郵船歴史博物館で開催中であった「ル・コルビジェがめざしたもの~船→建築」展の企画の一環として、コルビジェの船のリニューアルプロジェクトに関わった建築家 遠藤修平(神戸大学大学院教授)と建築評論家 五十嵐太郎(東北大学教授)の対談が計画されていた。
対談は中止となったが、その後、参加申し込みをしていた人たちを始め関係者から実施の強い要望があり、9月17日、会場を変えての開催となった。
日本郵船歴史博物館では、本来なら「ル・コルビジェがめざしたもの~船→建築」の展示が行われていたはずだが、それは4月3日で終了。
仕切り直しの対談が行われた9月17日の展示はこれ「洋上のインテリア」だ。
昭和初期の客船インテリア設計には、中村順平(1887~1977)や村野藤吾(1891~1984)をはじめ、松田軍平(1894~1981)、久米権九郎(1895~1965)といった、日本を代表する多くの建築家たちが関わっていた。さらには、数奇屋建築を近代化したことで知られる吉田五十八(1894~1974)や、若き日の丹下健三(1913~2005)なども、客船インテリアの設計に関わっていた。この展示会では、建築史ではほとんど語られることのない、客船インテリア史における建築家の活躍にスポットを当てている。
新たな対談の会場は、ヨコハマトリエンナーレの巨大な会場「新・港村~小さな未来都市~」内、上の写真の奥のブース。カフェ・バーコーナーも充実しており、当時のビール(下)も飲める。
http://www.nyk.com/rekishi/exhibitions/event/ships/index_talk.htm
ビールグラスの下は参加者に無料配布された「ル・コルビジェがめざしたもの~船→建築」展の小冊子。
対談の締めくくりは、当初予定にはなかった、東日本大震災以降、これからの建築シーンがどのように変化していくのかについての話があった。
中央で立ってマイクをもっているのが、博物館で企画を担当した学芸員の海老名さん。会場定員150名は早い段階で満員となっていた。
地震の際、遠藤さんは神戸大学で大き揺れを感じ、16年前の阪神大震災を思い出し、震源地はどこだろうと心配した。その晩スタッフから連絡があったとき、新幹線は動いていない。行ったとしても途中の、トンネルの崩落なども心配したという。一方、その時、東京に居た五十嵐さんは、東北大学の自分の研究室の棟が大破していることは知らなかった。という。
(この記事続く)
2011/09/25(土) 00:34:40|ニュース|