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藤井有鄰館

琵琶湖水路閣改修調査検討委員会石田委員長のお気に入り

建築家、武田五一(1872~1938)設計の藤井有鄰館

有鄰館1

2008年7月、国の史跡で南禅寺(京都市左京区)の敷地にある 琵琶湖疏水の一部・水路閣の橋台で、老朽化などが原因とみられる亀裂が見つかり倒壊の危険があるとして京都市上下水道局は防護工事を行った。

水路閣は、1888(明治21)年の完成。平成22年水路閣改修調査検討委員会が設置され、京都工芸繊維大学石田潤一郎教授が委員長に就任した。詳細は日本初のRC橋と琵琶湖疏水をお読下さい。

有鄰館2

平安神宮大鳥居の前を横切る琵琶湖疏水を挟んで西向かいに位置する。左隣奥は京都観世会館

京都工芸繊維大教授、石田潤一郎さん(57)は大学生だった頃、京都市内に残る設計の建物を調べたそうだ。1970年代、近代建築についての研究は少なかった。取材の結果、京大時計台(左京区)、府立図書館(同)、関電京都支店(下京区)、京都市役所(中京区)……。83年までに37軒を確認した。京都観世会館隣りの藤井有鄰館もその一つ。

「権威的な重々しさがなく、前衛的なデザインを取り入れながらも、親しみやすい」のが武田五一の作品。その代表例が、左京区岡崎の琵琶湖疏水沿いに立つ藤井有鄰館なのだという。(注:有鄰館の鄰の字はヘンとツクリが逆になっている)

画像の説明

藤井有鄰館 滋賀県出身の実業家藤井善助(1873~1941)が設立。中国の殷代~清代の青銅器や仏像彫刻などを展示。85年、京都市登録有形文化財。 開館は毎月第1、3日曜日の正午~午後3時半(1、8月は閉館)。設計した武田五一は、広島県福山市生まれ。東京帝大に進み、図案学研究のため渡欧、装飾 芸術アール・ヌーボーなど最先端のデザインを学んだ。帰国後は、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大)などの創設に尽力した。 1926年(大正15 年)、中国の美術工芸品の展示、保存を目的に建てられた鉄筋コンクリート3階建て。近代の私立美術館の建物としては最古とされる。入り口は、龍が浮き彫りされたアーチ型。3階のバルコニーは、日本建築で使われる「肘木」が支える。館内の天井などには優美なステンドグラスが使われている。

美術館や図書館が立ち並ぶ閑静な一帯になじんだ武田の建築に対して石田さんは、「斬新なデザインだが、和、洋、中を自由自在に混ぜ合わせているものの、全体的にあっさりとしている。穏やかな新しさが、古都の雰囲気を損ねずに、モダンな京都を演出した」と読売新聞の取材に語る。

武田は明治後期から昭和初期にかけて、さまざまな建物の設計をしたほか、ステンドグラスや家具のデザイン、本の装丁なども手がけた。建物や作品には随所に柔らかな曲線の装飾が施されており、近年『かわいい』、とファンが増えている。

2011/03/08(火) 14:47:17|歴史的建物を守る|

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