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140個のメタルカプセルが2本のシャフトにしがみつく。

140個のメタルカプセルが2本のシャフトにしがみつく。

中銀(なかぎん)カプセルタワービル(東京)の今
保存PTJの前田氏が6月1日(木)講演

448口絵

日本金属屋根協会が毎月発行する機関誌「施工と管理」に、黒川紀章の初期の代表作で、当時世界的に話題になった「メタボリズム建築運動」の世界初の実用住宅・中銀カプセルタワービルの現状を伝える原稿を書かせていただきました。

画像の説明
施工と管理第348号(2017年5月号)「今月の話題」より。

※ ※ ※

このテーマは、2017年6月1日(木)13:55~14:40、東京ビッグサイト西1ホールで開催される「2017年 第22回 R&R 建築再生展」の特別セミナーの2日目のメニューである。セミナーの受講予約は不要で無料。(入館は招待状またはhttp://rrshow.jp/事前登録)

中銀カプセルタワービルは昭和47年(1972年)竣工。黒川紀章の初期の代表作で、当時世界的に話題になった「メタボリズム建築運動」の世界初の実用建築、という点で建築関係者には有名であり、そのユニークな形状で若者を引き付けてやみません。また「外国人観光客が見たい日本の現代建築」ナンバーワンでもあります。

しかし「建築再生展」の主催者が注目したのは、このことに加えて、今カプセルタワービルの中で起こっていること、のようです。雨漏りがして、給湯もできないビルにどうしてそこまで、住みたがるのか。不可能と言われた修繕やメンテナンスを、何とか実現しようとするエネルギーはどこから生まれるのか。

黒川紀章は「メタボリズム」の中に「セルフエイド」という概念を忍ばせ(組み込み)ました。そして「我々が追球したいのは、住民の参加、住民のセルフエイドシステム を刺激する原理として成長し、変化する建築である」と 言いました。この言葉は「住み手がその建築に住むことによって、自らの住まい方を自問自答し、延いては改修のあり方まで真剣に考えてしまう 建築」と読み替えていいのだと思います。

「住まいとは何か、家とは何か、住み続けることの難しさ、建築部材や構成要素は単に長持ちすればよいのか、循環あるいは容易に交換できることの方が良いのか」。我々は通常のマンションでは起こりえない、様々なトラブルと向き合う中で、知恵を絞り、苦労を楽しみ、仲間の住人と緩く、時に深く関わり助け合っています。(黒川紀章の予見を超えた新しいコミュニティーの胎動を、ここに見る人がいるのかもしれません。)

当日は、住民にしか見えない視点、カプセルファンの飲み会の中で熟成された、カプセル生活の楽しみ方・保存活動の面白さをお話します。セミナー講演の後は、カプセル保存再生プロジェクトのブースで質問にもお答えします。

なお中銀カプセルタワービル保存再生プロジェクトのブースは、銀座たてもの実行委員会、日本茅葺き文化研究会(草屋根による循環・再生の思想、苫葺き・苫編み実演)、中世古楽アンサンブル(バベルの塔時代の音楽演奏)、日本防水の歴史研究会(聖書や日本書紀に書かれた防水の歴史)、ビッグイシュー、日本熊森協会との協力ブースです。(中銀カプセルタワービル保存・再生プロジェクト、銀座たてもの展実行委員会)

140個のメタルカプセルが2本のシャフトにしがみつ

中銀カプセルタワービル(東京)の今

施工と管理第348号(2017年5月号)「今月の話題」
(画像をクリックすると拡大します。)

15メタルカプセル (1)

15メタルカプセル (2)

15メタルカプセル (3)

15メタルカプセル (4)

2017/06/02(金) 00:36:57|歴史的建物を守る|

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