2014年(平成26年)ルーフネットの「能舞台と翁神事情報」2
2014年(平成26年)ルーフネットの「能舞台と翁神事情報」2
滋賀県坂本市 日吉大社
国宝日吉大社西本宮本殿前のかがり火。
- 2014年1月1日 午前5時20分から
- 滋賀県大津市坂本 日吉大社 西本宮拝殿
- 大戸開(おおとびらき)神事で観世流京都片山家一門の棟梁・片山九郎衛門が「翁」を奉納。
- 面(おもて):なし 囃子(はやし):なし 三番叟(さんばそう):なし
国宝の本殿は檜皮葺(ひわだぶ)きに銅の棟(むね)、翁を奉納するこの拝殿は重文・檜皮葺きの屋根に瓦の棟押さえ。
全国でも日吉大社にのみみられる特殊な構造である「日吉造り」。日吉大社西本宮の本殿。
天正十四年(1586年)復興。昭和36年(1961年)国宝指定。
午前5時、宮司による本殿の大戸開き、祝詞(のりと)のあと5時20分頃、片山九郎衛門による翁が奉納された。直面(ひためん)。地謡(じうたい)3名。
元旦の午前5時は真っ暗だ。明かりは2基のかがり火のみ。国宝・西本宮(にしほんぐう)本殿の銅の棟包みに施された金の装飾が輝く。
宮司によって開けられた本殿の扉は翁が終わると閉じられる。かがり火の向こうが本殿。
西本宮本殿の扉が閉まると、神職と装束をつけた奉仕者たちは松明(たいまつ)に先導されて、真っ暗な急階段の山道を十分ほど歩く。実に危険な道中だ。やがて東本宮の楼門(ろうもん)をくぐり、国宝指定の東本宮本殿に着く。九郎右衛門師は今度は拝殿で「高砂」を奉納する。再び松明に先導されて、控えの建物に着いた頃、やっと空が白み始める。この年は元旦にしては異例年にない暖かさだという。それでも身体は芯から冷える。
東本宮の重文・拝殿(手前)と国宝・本殿(奥)。
西本宮と同じく、いずれも屋根は檜皮葺きで、本殿は銅棟、拝殿は瓦棟。
写真提供:日本防水の歴史研究会、檜原響一郎。
2014/01/01(水) 23:58:56|MUSICフォーラム|