2014年(平成26年)ルーフネットの「能舞台と翁神事情報」3
2014年(平成26年)ルーフネットの「能舞台と翁神事情報」3
京都観世会館
観世会館の能楽堂の屋根。桧皮葺きで、棟は銅板包みだ。もちろん室内の舞台だから雨仕舞は考えなくても良いのだが、実際の屋根と同じ作りだそうだ。
2014年1月1日 午前10時30分から
京都市 観世会館
京都観世会「謡初式」
日吉大社の大戸開きの「翁」で夜を明かしたわけだが、宿に帰って眠るわけには行かない。既に京阪電車もJRも動いている。暖かいお茶を飲んで京阪坂本駅またはJR比叡山坂本駅から、京都市内へ、銅板屋根の美しい京都市美術館にほど近い京都観世会館に移動する。
10時には観世会館の入口で、関係者や愛好家が、良い席を確保しようと列んでいる。
例年「神歌」が上がるが、今年は無かった。京都観世会「謡初式」は元旦には欠かせない行事なので紹介します。
舞囃子 高砂 片山九郎右衛門
仕舞 養老、草紙洗小町、小鍛冶、
舞囃子 羽衣 林喜右衛門
狂言小舞
舞囃子 猩々 杉浦豊彦
祝言 四海波
京都観世会館の鏡板の松は、独特だ。通常は老松が描かれるが、抽象表現日本画家の堂本印象が画いた松は、アニメっぽいという人がいるくらい若々しい。今でこそ評価は高いが、開館建設当時の記録によると、依頼された堂本側も驚いたというが、頼んだ方もエライ。疏水、路面電車、女学校などと同じ、京都の先進性というか「新しもん好き」がここにも出ているのだろう。
堂本印象(どうもと いんしょう1891年12月25日 - 1975年9月5日)
京都観世会を率いる片山九郎右衛門は厳寒の日吉大社での翁奉納を終えて、京都観世会館での謡初式に臨むわけだから大変だ。緊張感あふれる極上の舞台を堪能した後、ロビーに出ると、お神酒の接待が待っている。昆布とスルメまでついている。これで入場無料。京都観世会を応援したくなるのも当然だ。
お神酒を頂いて12時前。翁めぐりはまだ続く。ここから、徒歩10分、疏水をわたって、初詣での人並をかき分けて平安神宮の神楽殿に向かう。
2014/01/06(月) 19:00:46|MUSICフォーラム|