「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2010年 10月23日 号

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2010年 神無月かんなづき 平成22年、昭和85年、大正99年、明治143年

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日本橋の橋脚をシダで緑化?

日本橋全景  シダで緑化

お江戸日本橋が漏水で劣化。防水と注入、路面大改修が始まりました。
防水層が劣化。回った水が橋脚の壁面を汚しその水が緑を育てる?橋面、側壁の劣化がひどくなったため3年間の検討を経て、工事が始まりました。工事は11月19日まで。清水建設が行います。
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ルーフネットの『選択』

SP

紺野教授の蔵軍団との作戦会議に同行する事になりました。報告をお楽しみに。
今回は「コンサートのマナー」です。中国、ドビュッシー、レーザービーム合戦、国家大劇場、鳥の巣、マナーとマネー。紺野ワールドをお楽しみください。「鳥の巣」と言えば、この設計者はここで行われた北京オリンピックの開会式に出ませんでしたね。
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ヘブライ語版「聖書と防水」ダイジェスト

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世界最大のベストセラー「聖書」に防水(ここでは瀝青=アスファルト)出てくるのは3か所。
①ノアの方舟、②バベルの塔、③モーセをナイルに浮かべた籠。いずれも旧約聖書の「創世記」と「出エジプト記」。聖書(キリスト教)は世界各国で発行され…>>全文を読む



絵日記

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新着ニュース

2010/10/22 武生余話  話の前のはなしnew
2010/10/21 日石・コスモの社史は日本書紀「燃土・燃水献上」から始まるnew
2010/10/19 スレート屋根改修の提案new
2010/10/18 ノーベル賞と防水とニュートリノnew
2010/10/14 雨の夜の日本橋改修工事new
2010/10/13 日本橋の橋脚をシダで緑化?
2010/10/11 ヘブライ語版「聖書と防水」ダイジェスト
2010/10/07 カラスウリは中国の赤 「唐朱」 瓜
2010/10/06 天智天皇に献上された「燃土=瀝青」が刺繍になった
2010/10/03 防水関係者のための美術講座 彫金 日本書紀と瀝青 余話 その2
2010/10/02 聖書中の「瀝青」。ヘブライ語版ではこう表記
2010/10/01 舞妓さんの うちわプレゼント! だそうです。
2010/09/30 美術館の館長は、元、橋梁防水の専門家
2010/09/26 「保険で工事受注のアドバンテージをとる」とは?
2010/09/24 昨年の屋上緑化面積はサッカーコート約40面分
2010/09/22 建物外壁のガラス窓でも太陽光発電
2010/09/18 南禅寺菊水さんで浴衣会。私(左千夫)も3曲
2010/09/17 日本の防水の原点「日本書紀~燃土燃水献上図」を見に行こう!
2010/09/16 ヘブライ語で「瀝青」は「ヘマル」
2010/09/15 ひび割れマニアのためのクイズ その1 解答
2010/09/14 建物を大事に長く使うことは、環境の時代のマナー
2010/09/13 国会議事堂洗浄中
2010/09/12 音楽の仙人
2010/09/11 直径1メートルの高圧蒸気用シールは藁(ワラ)編み
2010/09/10 数珠を持った南禅寺サポーター
2010/09/09 新作!いや贋作? ちょっと驚いた「燃土・燃水献上の図」
2010/09/09 日本学術振興会が、防水材によるRC保護効果でシンポ
2010/09/09 前田青邨も描いた「燃ゆる水献上の図」
2010/09/05 ひび割れマニアのためのクイズ その1
2010/08/03 日本初本格的RC橋の両橋台に大きなひび割れ。
2010/09/01 天智天皇は防水の祖神でもある
2010/09/01 元は石垣でした
2010/08/31 防水団体の事務局長は合気道6段
2010/08/30 全アロン防水組合総会
2010/08/29 「防水が支える優良住宅」 建築学会富山大会でPD
2010/08/29 舞妓さんがデビューしました。
2010/08/27 鉄筋コンクリート K1「解放された鉄筋」
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あるコスモポリタンの憂国(『選択』連載30)

コンサートのマナー

清華大学招聘教授 紺野 大介

表紙

 昨年暮、北京の国家大劇場へ行った。「老朋友」の清華大教授がチケットを用意してくれ、ご家族と共にピアノ・ソロコンサートを愉しませて戴いたのである。北京の「車」事情はオリンピックで改善されたとはいえ、ラッシュ時には東京と同じ渋滞がある。北京市中心まで三十分程、遅れないよう地下鉄を三回乗り継ぐ。白髪がかなり交じったせいか、車内で若い女性に二回も座席を譲られた。北京の日常風景である。席を「譲る」行為と、周辺に配慮し「控える」行為は我国では同類のマナー。しかし中国では独立懸架のようでインバランスなのだ。二十世紀型道徳観に固執するやつがれなどは、バスの中の喧騒、狭いエレベータ内で周囲に気遣うことなく若者達が各々大声を張りあげ携帯電話で話すマナーの悪さには閉口する。
 国家大劇場は天安門広場にある人民大会堂の裏手にある。北京オリンピックに併せ昨年完成した。このエリアは一九五九年、当時の周恩来が「将来国民が西洋音楽の教養を身につけるように」と用意した場所である。英語呼称はNational Center for the Performing Arts。外観は「プトレマイオスの地球儀」のような半ドーム形状。設計は事前に世界の著名な建築家のコンペが行われ、日本からは中国でも極めて評価が高い建築界の知性派の巨匠・磯崎新が参画。どの思想にも左右されず、個々の国々の政治・社会・文化に深く抵触する建築芸術に、審査中の中国専門家達の多くが氏の設計を熱望した。しかし最後は政治判断とやらで、抗日色の強い江沢民が欧州の建築家を指名したのである。完成後の今日でも景観にそぐわないとして定常的批判がある。
 内部にチタンを多用した三日月状半球体構造は建築費総額五十億元(約七百五十億円)。オリンピック・メインスタジアム「鳥の巣」が三十五億元(約五百二十五億円)であり、中国の資本で中国の大地に建設した現時点で最もカネをかけた建造物とのことである。内部はオペラ、管弦楽、京劇など六つほどの多目的ホールに仕切られており、その一つに入場した。威圧的な三段構成の巨大パイプオルガンが客席を睥睨していた。

タイトル

 ピアニストは中国のトゥタイハン(Du Taihang;杜泰航)。中文印刷物によれば六歳でピアノを始め、十一歳で北京中央音楽院に入り、九二年渡欧。ロシアのアナトール・ウゴルスキー等に師事して九四年ハーグ国際ピアノコンクールで第二位に入賞しデビュー、ソロコンサートを続けるかたわら、アムステルダム・コンセルトゲボウ、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団などと協奏曲を共演しているとの記述があった。中国のピアニストといえば第十四回ショパンコンクールで中国人として初優勝した重慶生まれユンデイ・リ(Yundi Li;李雲迪)、国民的に更に人気のある瀋陽生まれのランラン(Lang Lang;郎朗)がいる。共に二十七歳。ランランは十七歳でラビィニア音楽祭のガラ・コンサートに於いて、アンドレ・ワッツ急病の代役としてピアノ協奏曲をシカゴ交響楽団と共演し「類希なる逸材」と絶賛された。先日もNYカーネギーホールで聴いたのだが、格別なコンクール入賞実績がある訳でもないのに、既に名人域に達している観のある強運なピアニストである。
 トゥタイハンの演奏曲目は先ずガルッピ(加魯皮)のピアノソナタ・ハ長調。バロック期のポリフォニーが色濃く残る軽快な旋律で開始された。しかし演奏が始まるとすぐ、周囲に何ら遠慮する様子もなく遅れてやってきた相当な人達が席へ。ガルッピの音楽と、木製フロアを叩くハイヒールとの喧騒音が続く。次にアルベニス(阿爾貝尼斯)の「スペイン組曲」からグラナダなど数曲。ここでも途中入場者があり、その都度聴衆の集中力が途切れる。音楽自体はスペイン地方の舞踏曲集でギター風の美しい音色だが、技巧が勝っていた。間断が十五分ほど。ピアニストは控室へ引き返す。しかし建築芸術が過ぎたのか、ノブ無しで無数の短冊状壁面ホール設計のためドア位置の見分けがつかない。この為、舞台フロアの檻に主役が閉じ込められ、出口を探すかのような一幕と爆笑があった。

 休憩後はドビュッシー(徳彪西)。驚いたことに第二部開始直前、コンサートホール背面に縦八m×横十mほどの巨大な白布が垂れ下がり、なにやら動画が映し出された。と同時にトゥタイハンはその画像を見ながら「映像第一集」/「水に映る影」のアルペッジオを幻想的な面持ちで弾き始めたのである。それがピアニストの要望なのだろうか? 自己芸術を「聴いて戴く」というよりむしろ「聴衆を啓蒙する」といった姿勢で、揺れ動く詩的な情緒を映像と同調させて弾く。画面はう水の如く、次から次へとまどろみの世界へ誘う。しかしコンサートのような即興的印象というクライテリアで比較すれば、人間の五感の中で聴覚は視覚に勝てないであろう。ピアニストの存在は会場の中で相対的に小さくなる。いつしか聴衆は携帯電話用カメラを取り出し巨大画面を写し始めた。視界に入ったこの十数名のマナーに対し流石に不快に感じたのか?―暫らくすると背後の聴衆からそれを阻止する明確な意志をこめて、赤色レーザーポインター(!)を使い携帯用ディスプレイ目がけて様々な角度から発射。無論小さすぎて当たらない。外れた赤色光は水淡色の巨大画面やピアニストの胴体や顔に当たった。次の「前奏曲第一集」の「沈める寺」。その振舞は一段と激しさが増した。ホール中央部に座ったため後席部は不明である。“通信状態”、即ち誰が発信源で誰が受信者なのか、視認性のある光なので罪も軽微なのかもしれない。しかし携帯ディスプレイ、白布画像面、ソリストとの間をランダムなレーザー光が瞬間移動する軌跡が各所で舞った。この時点ではレーザー発射人がソロコンサートの最大の加害者と化しており、一種異様な演奏会となったのである。最後はその映像がパソコンから取り込まれた出力投影とわかるクリック指示枠まで写ったおまけがついた。

国家大劇場

 我国演奏会の聴衆マナーが世界一であることは、リップトーク抜きで欧米の一流演奏家の多くが口をそろえて認めている。中国社会科学院は二年前、経済的に全体で「中国人が日本人に追いつくには五十年かかる」という報告書を公表した。しかし「中国人が日本人にマナーで追いつくにはそれ以上の年数がかかる」と思わせる、複雑骨折したような中国聴衆の各種のマナーは脳裏に残った。人口十三億人、中国の国家GDPは確かに世界第三位にまでなったけれど、胡錦濤の提唱している「八栄八恥」の道徳観はまだまだ奏功していない。マネーはともかく、マナーの移植には時間がかかるのである。
(敬称略)
2009.07 選択


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

  • 主な収録項目
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資料第壱号「アスファルト及びその應用」


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