「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2010年 8月17日 号

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2010年 葉月はづき 平成22年、昭和85年、大正99年、明治143年

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資料第壱号「アスファルト及びその應用」(完) 

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社団法人 アスファルト同業会とは
昭和24年(社)アスファルト同業会結成。構成メンバーは、アスファルトデイーラー及び工事屋の集合体だったがアスファルトデイーラーは、日本石油はじめ大協石油(現在のコスモアス)、丸善石油等の石油メーカーの代理店でアスファルト関連材料の販売やガソリンスタンドの経営などを主とした業務としていた。その構成メンバーの中に数社のアスファルトルーフイングのメーカーがいたが、中でも田島応用化工(現、田島ルーフィング)と日新工業が双璧であった…>>全文を読む
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2010/08/06(金) 19:40:17|ARCHIVES|

日本最古のRC橋への疑問と発見

「もう1本ありまっせ!」と言う琵琶湖疏水記念館職員の声で「第10号橋」を再調査

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京都市山科区御陵(みささぎ)にある第10号橋・通称「黒岩橋(写真上2点)」こそ「日本最初の本格的な鉄筋コンクリート橋なのである」(琵琶湖疏水の100年)
日本最初の鉄筋コンクリート橋は、琵琶湖第一疏水、山科区日ノ岡にある第3トンネル東の第11号橋で、これは「国指定史跡」であり、多くの学術文献にも記載されている。本サイトでも3月18日に紹介している。>>詳しく読む

原爆ドーム・歴史的建造物の保存技術を今に生かす「改修技術研究会」

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「改修技術研究会」 と 「お初」さん
昭和55年(1980年)に発足した改修技術研究会という、建物改修工事のエキスパート集団があります。清水建設の設計部に属し(当時)、コンクリートのひび割れ補修の専門家で、広島原爆ドームの保存工事に最初から深くかかわった森光作氏を中心とする勉強会です…
毎年、年末の会は設立当初から京都で研究会兼忘年会を行いました。会場となったのは、この研究会の世話役として実質上の活動をリードして来た故・穴澤邦重氏が昔から贔屓にしていた、京都上七軒の「お初」さんでしでした。年一回の会合で、お初さんの普通では聴けない京都の話を聞くことはとても楽しみでした。
ルーフネットでは「京都のくらし」の奥深い部分を知るお初さんの目を通して、ビジネスに役立つ京都の知恵を発信してゆきます。>>全文を読む

2010/08/05(木) 09:15:30|ニュース|

8月1日は上七軒の盆踊り

お初ちょうちん

「お初」の上七軒便り 2  
花街の八朔。でも上七軒はちょっと違う
花街の八月一日と言えば、八朔。普通なら舞妓さんや芸妓さんは、日頃お世話になってる、師匠やお茶屋さんに挨拶回りをする特別な日です。本来なら旧暦の八月一日で、昔は「田の実の節」と言いました。「実り」に感謝する日だったのですが、花街では「田の実」から「頼み」に変わりました。「よろしゅう お頼のもうしますう~」…

このシリーズは「お初」左千夫さんのブログと、ルーフネットのコラボ企画です。
左千夫さんのブログはこちらhttp://ameblo.jp/sachioohathu/

2010/08/08(日) 09:00:00

新着ニュース

2010/08/12 雑誌『選択』と紺野大介氏についてnew
2010/08/09 日本最古のRC橋への疑問と発見
2010/08/08 8月1日は上七軒の盆踊り
2010/08/06 アスファルト及びその応用 (完)
2010/08/05 原爆ドーム・歴史的建造物の保存技術を今に生かす「改修技術研究会」
2010/08/04 古代アッシリアの叙事詩に登場するアスファルト防水と溶解釜
2010/08/02 『選択』に連載中の紺野大介 清華大招聘教授とルーフネット
2010/07/31 COP10 生物多様性保全に貢献する有職菓子処「老松」
2010/07/30 東京都夢の島熱帯植物館 館長 からのお知らせ
2010/07/28 鶴川支局散歩650メートル
2010/07/24 ROOF-NET開設より3ヶ月。
2010/07/22 日本書紀「燃土・燃水・・・」の近江神宮で防水業界の話をしてきました
2010/07/20 メール第一の時代…
2010/07/18 ノアの方舟とは「浮かぶ家」。その内外側に瀝青が塗られた。ということは…
2010/07/17 事例② 養生シートをはずし忘れ、住人は一酸化炭素中毒で救急搬送。
2010/07/15 BUAISOU な 朝焼け
2010/07/14 屋上庭園 海外編1 ウィーンのフンデルト・ヴァッサーハウス
2010/07/11 吉田享二元建築学会会長(故人)の 防水心得
2010/07/10 アスファルト及びその応用(7)
2010/07/10 モーセを救ったアスファルト ~ドレのエッチング作品~
2010/07/09 防水業界関係者として「燃土」を献上したいものです。
2010/07/07 小暑 7月7日(水)=旧暦 皐月 二十六日
2010/07/05 土瀝青を天智天皇に献上した故事を再現する「燃水祭」は「防水祭」?
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日本初の鉄筋コンクリート橋

日本初の鉄筋コンクリート橋 ~明治36年(1903年)7月試造~

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明治維新で東京に都が移り、活気を失っていた京都の復興を目指して、明治18年(1885年)琵琶湖疏水の建設が始まり、明治23年(1890年)第一疏水が完成しました。

奥に見える第3トンネル入り口約50メートル手前に、「日本初の鉄筋コンクリート橋」と言われている幅1メートル強の小さな橋がかかっています。これが第11号橋。明治36年(1903)年のことです。

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現在は転落防止のため、柵が設けられ、橋自体が見にくくなっています。 また水路も舗装されてしまいました。

かつて橋の東側には日ノ岡船溜(ひのおかふなだまり)が広がり、疏水を行き交う船が泊っていました。現在は埋め立てられて、新山科浄水場取水池として利用されています。

鉄筋の代わりにレールを代用

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鉄筋コンクリートとは言っても、この橋の鉄筋は専用の材料がなかったため、疏水工事で使ったトロッコのレールが代用されています。鉄筋コンクリートの技術はのちに第2疏水などの土木工事に生かされました。

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  • 橋の裏面。ここにもレールが使われています。

琵琶湖疏水第3トンネル入り口と107年前の橋

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各トンネルの出入り口には明治の元勲(げんくん)が文字を書いた扁額(へんがく)が掲げられている。

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幅1メート強。107年前の鉄筋コンクリート橋。左下に「南禅寺まで40分」の手書き道標。

107年前に作られたRC橋の路面。

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完成当時、もちろんこの柵はない。

この地を訪れたのは、2月19日に行われた、ピングラウト協議会記念講演会での話がきっかけ。首都大学東京都市基盤環境工学の宇治公隆教授が、「コンクリートの不思議を紐解く」のテーマで講演した。

その中で、国内外のコンクリートの歴史として海外では1873年フランスMonierのRCアーチ橋(15.6M,幅4.2M)、国内では1903年琵琶湖疏水運河第3トンネル東口のメラン式弧形桁橋(7.3M)が最初の鉄筋コンクリート橋である、と説明した。

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  • 建設当時の第11橋(琵琶湖疏水記念館パンフより)

日本最古のRC橋への疑問と発見

「もう1本ありまっせ!」と言う琵琶湖疏水記念館職員の声で「第10号橋」を再調査

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京都市山科区御陵(みささぎ)にある第10号橋・通称「黒岩橋(写真上2点)」こそ「日本最初の本格的な鉄筋コンクリート橋なのである」(琵琶湖疏水の100年)

日本最初の鉄筋コンクリート橋は、琵琶湖第一疏水、山科区日ノ岡にある第3トンネル東の第11号橋で、これは「国指定史跡」であり、多くの学術文献にも記載されている。本サイトでも3月18日に紹介している。

日本初のRC橋は橋長7.2メートル、幅員1.5メートル。風情はあるが、「このしょぼい橋が日本初か!!107年間どんなメンテをしたのだろう?長期間の維持管理を考えれば、床版の防水は今や常識になっているが…」と橋の上に立って考えた。今回の取材に先だって、京都市水道局疏水事務所に、メンテナンスの記録を尋ねてみた。疏水の歴史に詳しい担当者が、「記録にある範囲ではない。詳細は蹴上の琵琶湖疏水記念館に資料があるから」と教えてくれた。8月8日、疏水記念館で加藤館長、藤木さんから両手で抱えても重い「琵琶湖疏水の100年」、その他の資料を見せていただいた。

答えは3分冊になった重い資料の「叙述編」にあった。
要約すると、第11号橋は「国産セメントの試験用というべきもので実用性は乏しかった。ここからさらに東へ行った、翌明治37年に作られた黒岩橋こそ日本最初の本格的な鉄筋コンクリート橋なのである」と書かれている。この認識があるので、第11号橋は完成当初、話題にもならず、忘れ去られていたのだろう。それが昭和7年に「本邦最初鉄筋混凝土橋」の石碑が建てられたのは、疏水決壊事故がきっかけだった。


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館 

「アスファルト及びその応用」編集後記

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。それは防水業界にとって、また建築業界にとって貴重な歴 史資産であるにもかかわらず、残念ながらそんな資料を系統立てて整理する組織はもちろん、保管する場所すらないのが現状です。 心配なのは、これらの資料 の価値を理解出来る人が減り、その価値を語れる人はさらに少なくなっています。

防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文 献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資 料を担当するキュレーターが、 時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説したい、という思いでスタートしました。

その第一号資料が、「アスファルト及びその応用」でした。防水業界の生き字引。丸山功さんの全面的な協力のおかげで、とりあえずこの本の紹介は今回で終了。この書籍に込めた先人達の想いは熱いですね。今でもこの本が、行政機関の報告書に引用され、防水業界の社員教育に使われている事実によって、先人の想いは一部であったとしても、受け継がれているといえます。

これまでの内容を整理して、本サイト「ARCHIVES」のメニューの中に「防水歴史図書館 資料第壱号・アスファルト及びその応用ver.1.1」として残します。同時に「RN(ルーフネット)ブックレット」として、プリントアウトして見やすい形に編集してゆきます。

またこのコーナーには特に多くの読者の方から、ご意見や、資料のご提供をいただきます。それらは一定期間ごとに整理、再編集して、バージョンアップに反映し、最新の「RNブックレット」として取り出せるようにして行きます。

次号は、「日本アスファルト物語」「アスファルト防水のルーツを探ねて」、「田島ルーフィングのチャーミングな創始者」の伝記などの予定です。

  • 主な収録項目

資料第壱号「アスファルト及びその應用」


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