「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2011年 6月2日 号(№49)

2011年 6月2日 号(№49) 新月

2011年 水無月みなづき 平成23年、昭和86年、大正100年、明治144年

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タイル改修の巨大マーケットにどう取り組む?

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毎年平均3千万平米のタイルが施工されているとすると、40年間で12億平米のタイル外壁ストックがある。
外壁タイルの剥落防止システム「タイルフィクス」工法の施工者団体であるタイルフィクス工業会(中坂勇二会長)は5月19日、東京都港区のメルパルク東京で第2回通常総会と記念講演会を開催した。
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「燃える土とはアスファルト」!間もなく近江神宮から燃水祭のご案内

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日本防水の歴史研究会としてお願いしていたことが実現しました。
日本書紀に書かれた燃える土と燃える水の献上。 燃える水が石油であることは異論がなかったのですが、「燃える土」については、天然アスファルト、泥炭、石炭、など諸説ありました。近江神宮の記録や日本石油の多くの社史、その他資料によれば、「燃える土=天然アスファルト」の解釈が妥当であることについて、ご理解が得られました。>>全文を読む

「震災被害を受けた建物の修復をどうしたらよいか」

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昨年1月27日,本ルーフネットで「誰も居眠りしない講習会」として紹介したプロジェクトアシアスによるセミナーが、6月16日に開催される。
今回の研修テーマ:「震災被害を受けた建物の修復をどうしたらよいか」
日 時:平成23年6月16日(木)午後6時30分から午後8時30分
講 師:有限会社 鈴木哲夫設計事務所 鈴木哲夫
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(写真提供:Hikaru WATANABE)

日本金属屋根協会総会

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過度の自粛控えよう。景気回復の決め手はマインド。
鋼板製外壁構法標準 SSW2011 完成。
「西から元気を送ろう」と言うが、東京こそ元気を出さねばならない。と訴える吉田伸彦会長。5月20日、東京・水天宮のロイヤルパークホテルで行われた総会で挨拶。>>全文を読む

絵日記

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新着ニュース

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2011/05/26 大震災。即思い出したのは、今泉先生の言葉でした。new
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2011/05/19 タイル改修の巨大マーケットにどう取り組む?
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2011/05/06 ルーフネットの注目論文 その1 (2011年日本建築学会奨励賞)
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2011/04/11 実験材料の気持ちがわかる?
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あるコスモポリタンの憂国(『選択』連載36)

元建設省建築研究所所長のある先生がこう言いました。

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「アインシュタイン知ってますか?」。100人いれば99人は「知っている」と答える。「何をやった人?」と聞くと、99人は「相対性理論を確立した」とこたえる。そこでさらに「相対性理論て何ですか?」と聞くと90人は「忘れた。知らない」と返事する。でもここで言いたいのは相対性理論じゃない。

アインシュタインは相対性理論で有名なんだけど、もうひとつ大事な事を言っている。 

それが「アインシュタインの成功3原則」。事業や建築において3つの原則を守れば必ず成功する。このことはほとんど知られていない。
1.良く学び、2.よく遊び、3.沈黙を守る。
左脳を使って良く学び、よく遊んで右脳を鍛える。そして沈黙を守るというのは「情報管理」ということですね。ようするに左右をバランスよく使いましょうということです。

この先生とは、ルーフネットでも紹介した上村克郎先生ですが、アインシュタインについて確か紺野大介先生が、何か書かれていたはずだと思い、探し出したのがこれ。 

アインシュタインに「相対性」とは? と質問した人に、彼は「可愛い女の子と公園のベンチで過ごす一時間は、一分にしか感じられないもの。ところが、熱いストーブの上に一分間座れと言われたら、まるで一時間にも感じられるはず。それが相対性というものです」と述べた。

紺野大介教授の「あるコスモポリタンの憂国」。今回はこれです。

科学・技術・工学の相違と「研究開発」

清華大学招聘教授 紺野 大介

36表紙

 アインシュタインに「相対性」とは?と質問した人に、彼は「可愛い女の子と公園のベンチで過ごす一時間は、一分にしか感じられないもの。ところが、熱いストーブの上に一分間座れと言われたら、まるで一時間にも感じられるはず。それが相対性というものです」と述べた。語彙のイメージや正しい認識は研究開発の促進に効果的である。
 我々が日頃多用している、科学(Science)と技術(Technology)と工学(Engineering)。この三者はどこがどう違うのか?― 判然としないまま議論されていることが多い。かなりの識者でも、科学と技術は何となく似たような同義語のように扱っているものが多い。広辞苑によれば、科 学とは、「世界と現象の一部を対象領域とする、経験的に論証できる系統的な合理的認識」とある。また技術とは、「科学を実地に応用して自然の事物を改変・ 加工し、人間生活に利用するわざ」。更に工学とは、「基礎科学を工業生産に応用して生産力を向上させるための応用的科学技術の総称」。特に「科学」など、 この説明ではどうもピンとこない。合理的認識とは何か?―等と考えるほどに全体が混然となり、混沌とし、しばし混濁する。

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 重機械など重厚長大品を扱うメーカー、半導体など軽薄短小品を扱うメーカーにおいて「設計部門」の他、「研究開発」の現場を長年体験してきた。後者の 「研究開発」などは失敗の連続であり、どうにかカッコウのついたモノは僅かに一、二点で“連戦連敗”。一方、「設計は犯人探し、研究は恋人探し」と考えており、難題もある。“モノ作り”を業とするメーカーにおいて一般に「設計部門」は理系の花形の仕事。だからといって設計者が基礎理論に精通しているか否かは別の話である。一例だが遠心ポンプを設計するのに、流体力学の基礎理論を知らなくても設計できる。タービンもしかり。また基礎科学を知ったからと言って良い設計が出来るとは限らず、基礎知識に欠落していても抜群にモノ作りが上手い人もいる。この事情は重厚長大の世界だけかと思っていたら、以前、量子力学 に基礎を置く「バンド理論を知らなくても良いダイオードは作れる」といった某大学教授がいた。事情の類似性に驚いたものである。
 一方、設計者にとって流体力学や量子力学を知らなくて本当に良いのか? 研究開発者にとって流力や量子の基礎理論とは一体何なのか? 他方で流力や量子 論などに精通している者の大半は、一般に企業内ではタービンやダイオードを作ったこともない。企業人としてどちらが優れているか?企業の立場でどちらを どのように評価すべきか?といった課題・難題がどのメーカーにも介在する。
 その後ETT(創業支援推進機構)を創設し、様々な新技術、新規事業の立上げ前の技術・事業性評価を高い次元で提供してきた。ベンチャーや中小企業、大企業や国研の要請に基づき、それぞれに基礎科学、応用技術、製品開発、市場性、事業性等について各々第一級専門家五~十名程が異なる価値観で密度濃く審議する。事業面は無論、科学面、技術面、工学面などの様々な角度から深い知見が披露される。これらの判断を俯瞰すると、科学とは「真実か否か」の普遍性と、 発見の大きさが問われる。一方、技術とは個別的事物に対し「適切か不適切か」が問われ、具体的な発明、特許の軽重が遡求される。一例だが「SONY」に適しても「Panasonic」に適さない技術はある。科学にはそれがない。また工学とは結局、経済性、単品やシステムの効率が高いか低いか、端的にいえば 利益が出せるか出せないか?にその存在の基準が見えてくる。その結果「科学・技術・工学の相違」が判然とするのだ。数年前、研究・技術計画学会に呼ばれ、こうした研究開発の評価や事業性の判断についてお話をさせて戴いた。

 後日、講演時に聴講しておられたNEC元基礎研究所長・齋藤冨士郎理学博士から賛意とご著書を戴いた。題名は「『研究』と『開発』を考える」(NECクリエイティブ発行)。読めば読むほど考え方の波長、氏の研究開発現場からの深い洞察と謙虚な姿勢、及びイメージの明確さに目から鱗が落ちたものである。
 本書を要約すると、「科学」とはラテン語のscientiaという由来より紀元前から意味が明瞭。科学とは“正しい知識を追求すること”であり、その追求に基づく発見は、普遍的で誰に対しても、どの企業にも正しい。しかし「技術」は異なる。「技術」とは、ある人、ある企業にとって好ましい事物が、他の人、他の企業にとって必ずしも好ましい事物でないこともありうる。即ち、技術は、科学のように“正しいか正しくないか”“真実か否か”ではなく、“好ましいか好ましくないか”“適するか否か”の基準に基づき、もはやそれ以上の選択の余地が無い、ぎりぎりの判断を求められるもの。
 従って両者は相互に関連するものの「それぞれが似て非なるもの」なのである。技術は科学のように普遍性や一般性は問われず、徹底した個別性や具体性が追求される。だから科学の研究開発は「何の役に立つのか」を追求することは本来筋違いなのに対し、技術の研究開発は「何の役に立つのか」に対し明確に答えられねばならない。技術の成果である発明・特許は「正しい」ではなく「好ましい」を主張する。もし「正しい特許」たる特許明細に於いて「紛れも無い真実である特許」を書こうとしたら容易には書けないことは明らかである。何故なら真理とはそもそも全ての人々が普遍的に利用できるものだから、初めから特許にならないのである。
 工学と技術も峻別可能。即ち工学は効率向上、即ち経済性に係わる。経済性とは利益がでるかでないかを問題にすることであり、工学とは損得に係わっている。機械工学でも電気工学でも、また最近の金融工学などでも、最終的に問題とするのは「効率を高めるための学問」或いは「より効率的に物事を実現していく方法を見つけるための手法」といえる―と述べている。齋藤博士の作表を若干タッチして研究開発をイメージ、二十世紀初頭に生きた代表例として、科学に対しアインシュタイン、技術に対しエジソン、工学に対しフォードを当て嵌めてみた。関係する方々のご参考の一助になればと思う。
(2010年1月「選択」)

(注:この記事は雑誌「選択」編集部の許可を得て転載しています。)


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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