「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2012年12月7日 号(№124)

2012年12月7日 号(№124) kagenn

2012年 師走しわす 平成24年、昭和87年、大正101年、明治145年

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アーキニアリング・デザイン展2012

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アーキニアリング・デザイン展2012 in
建築会館・建築博物館ギャラリー
みんなの家も展示されている 11月17日~11月25日(日曜日)
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第42回熱シンポ

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都市における熱環境に関する最新の研究事例発表
日本建築学会 は11 月16 日(金)、17 日(土)の両日 建築会館ホールで都市における熱環境に関する最新の研究事例発表と意見交換を行った。>>つづきを読む

韓国世界遺産「わらぶき屋根危機」NHKが朝のニュース放映

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韓国世界遺産「わらぶき屋根危機」
2010年に世界文化遺産に登録された韓国ヤンドン(良洞)村の藁(わら)ぶき屋根が後継者不足で、危機状態であることを韓国KBSテレビが放映し、このニュースを11月19日、8時44分のNHKテレビ「おはよう日本」が紹介した。>>つづきを読む

絵日記

新着ニュース

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2012/11/01 スカイツリーのシーリング
2012/10/31 耐火・耐風、外壁の品質向上などへの取り組み報告
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2012/10/30 ツタンカーメン展と防水の接点
2012/10/24 少しずつ瓦がのっています
2012/10/23 ライト様式のテラコッタにも触れます
2012/10/23 「霜降」の朝、「武相荘」の森にかかった虹
2012/10/20 深川不動尊の銅板屋根
2012/10/18 樹齢100年の禅寺丸と茅葺き屋根
2012/10/17 防水材料別施工実績(JWMA発表2012年上半期)
2012/10/15 平成24年度 建設マスター顕彰
2012/10/12 UR都市機構 10.30に研究報告会
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2012/10/11 京都府庁旧本館
2012/10/08 伊勢神宮 正殿の茅葺き屋根
2012/10/08 「板金いま、むかし」ルーフネットで転載中。
2012/10/06 屋根が無いから、屋根のことを考える
2012/10/05 正倉院の防水用屋根下ルーフィングはサワラの土居葺
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明治生れの銅かざり職人・鴨下松五郎「板金工事今昔」最終回

板金の技で助けられた

鴨下作品
日本金属屋根協会に飾られている鴨下松五郎さんの作品。まるで折り紙細工のようだと言われた。

今回の連載読み物は、明治生まれの銅板屋根職人・鴨下松五郎さんへの貴重なインタビュー記録の9回目。最終回です。板金の技術で助けられた兵隊時代、捕虜生活…。

社団法人日本金属屋根協会が機関誌「施工と管理」に連載した記事の転載です。日本金属屋根協会は平成7年から4回にわたって、名高い銅錺師(どうかざりし)鴨下松五郎さんのインタビューを機関誌「施工と管理」に掲載しました。

委員長
鴨下さんのインタビューを行った大江源一広報委員長(大江金属工業社長)。

板金いま、むかし -鴨下松五郎氏に聞く- ⑨

殴りっぱなしよりいい

 現役で軍隊に入ったときは台湾に送られたんですが、結構板金の技術を生かせる仕事が軍隊の中にもありました。そのためよく中隊長から「演習行かなくてもいいからハンダ付けしていろ」と言われました。こっちも演習よりはハンダ付けのほうが、何といっても楽でしたから、喜んでやってました(笑い)。
 そのあと昭和12年に一回目の招集を受けて中国に行ったんですが、留守宅に現地の市長さんから感謝状とお金(30元)が送られてきた。これは、現地の子供や病人の世話を随分していたんですよ。それに対して「ありがたい」ってことで、留守宅に感謝状が来たらしいんです。ところが、うちの母親は面食らっちゃった。なにしろ戦争している相手の国から感謝状とお金が送られてくるとは「息子は何してんだろ」ってわけ(笑い)。びっくりして町会長さんのところに相談に行ったら「これは息子さんは人の出来ないことをやってるんだ。こういう人が大勢いないといけないんだよ」と言ってくれたらしいんです。それでもうちの母親は納得しないんです。軍国婆さんだったから「こんな敵の金なんかもらえるか」って、陸軍の執兵に寄付しちゃった。
 私のほうも中国人の面倒をみていると「鴨さんは日本の兵隊よりも中国人のほうが大事なんだね」と言われてました。確かに人のこと殴っといて、そんなことやってもしようがないんだけど、殴りっぱなしよりはいいと思ってやってました。それに私は中国人が好きでしたよ。やはり「大人」ですね、彼らは。
 二回目の招集のときは、免許を持っているからと自動車の輜重兵にさせられました。こっちは小隊長でしたが、免許を持ってはいるものの、そんなに車のことは知らない。ところが兵隊のほうは運転手だったりしますからそれこそプロです。それである時、上から日産のトラックの新車を3台くれるという話しがあり、喜んで貰ってきたら「トーシローは困るね」といわれちゃった。何でかというと「日本のトラックは3ケ月も山の中を走ると壊れちゃう。荷車と同じだ」と言うんです。「どうせ貰うなら中古でもフォードがいい」ってわけ。壊れませんからね。それで私、日産の新車を返しに行きました(笑い)。
 ある時爆撃(砲撃?)で部隊のトラック32台全部のラジエターが抜けてしまった。最初は水を注しながら走ったんですが、いくらも走れない。穴をふさがなければ駄目だということになったんですが、肝心の塩酸がない。この時も板金の技術に助けられました。兵隊に松やにを集めさせたんです。それを塩酸の代わりに使ってラジエターを直すことが出来ました。松やにを使うなんて、板金の仕事をしていなかったら思い付きもしなかったでしょうね。

板金屋になってよかった

 戦争に負けた後は捕虜です。食料がなくてみんな栄養失調でしたし、塩が手に入らないのにも困りました。お金があれば街で買えるのですが、そのお金がない。何とかしてお金を手に入れなければ、どうにもならない感じでした。
 そこで、ドラム缶で中華鍋をこさえて街で売ることにしました。現地の中華鍋は当時は鋳物でしたので、落としたりすると割れるんです。当時の中国では金物は鋳物製が多かった。蝶番(ちょうつがい)なんかも鋳物でした。そこに目を付けまして街の市場に行って、鋳物の鍋を割って見せて、今度はドラム缶の鍋を落として見せるわけ(笑い)。割れませんから評判になって売れました。売れたのはいいんですが、今度は鋳物の鍋屋さんが怒った。「戦争に負けたくせになんだ」ってことで、取り囲まれて殴られましたよ(笑い)。

 そのほか、ブリキのマッチ入れや蝶番なんかも作って売りました。それだけではなくパンを焼いて売ったり、農作業の手伝いをしたりと部隊の人間が出来ることはなんでもやりました。こういう中で一番助けられたのは、自分の持っている板金の技術でした。板金屋をやってて本当によかったと思いました。
 そんな捕虜生活もいよいよ終わり、日本に帰れるとなった時に「そういう(板金)技術を教えるために中国に残ってくれないか」と言われました。私の心も相当動いて残ってもいいかなと思い始めたんですが、ある紡績会社の人が……この人は日本の方ですが…「技術を教えるのはいいことかも知れない。けれど(日本人が)いるといないとでは、いないほうがいいですよ」と。なるほどと思いました。残る気持はありませんでした。

2012/11/28(水) 00:44:24|屋根|


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

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我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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