「今の防水業界がこれでいいのか」「いい仕事をすること、社会的貢献をすることと、防水工事で利益をあげることは両立すべきだ」と考えるあなたに!

2013年4月3日 号(№140)

2013年4月3日 号(№140) kagenn

2013年 卯月うづき 平成25年、昭和88年、大正102年、明治146年

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改修工事後の保全計画を標準化

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「タイル張り仕上げ外壁の保全技術」
-調査診断から改修工事後の保全技術まで-
日本建築仕上学会が講習会
日本建築仕上学会外壁保全技術の体系化委員会は、平成23~24年度に18社・団体の委託を受けてタイル張り仕上げ外壁の調査・診断方法、補修・改修工法、補修改修後の調査診断方法等の標準化に関する調査研究を行ってきた。>>つづきを読む

ATS協議会定時総会と講演会

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記念講演は芝浦工大本橋健司教授
世の中は完全に改修時代。膨大なストックをどう活用するか。中古住宅の流通がうまく機能するには、誰もが納得できる診断・評価方法を確立しなければならない。本橋講師が学会、行政の最先端の話題を解説した。>>つづきを読む

第35回「全日本中学生『水の作文』コンクール」募集中

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もし「屋上の田んぼ」や、「屋上プール」、「地下の蓄熱槽」の作文が1等賞になったら?
私のお父さんが、毎日がんばっている防水工事のおかげで、学校の屋上にプールや、ビオトープができた。もし中学生が、そんな経験を作文にして、それが最優秀賞になったら…。>>つづきを読む

絵日記

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斉木さんの銅板屋根のお話最終回

連載8回目 銅板屋根とともに(下)

若い人たちは「この仕事は楽しい」と言いますよ!!(斉木さん談)

ボランティアの茅葺指導員
金属屋根ではありませんが、写真は都内の民家園で、茅葺きを指導する若いボランティア。

※ ※ ※

このインタビューは平成15年7月に㈳日本金属屋根協会編集委員長の大江源一さんが斉木さんから聞き出したものです。最終回のお話のキーワードは「職人冥利」、「若い人への期待」。締めくくりにあたってもう一、度斉木さんを紹介しておきましょう。

昭和の初め、神社仏閣や公共建築を除くと、都市圏の一般住宅の屋根は瓦、山村では茅葺き、板葺き屋根の家が一般的でした。斉木益栄さんは、昭和7年、新潟県の十日町から3里ほどの山村で木羽(こば)葺きの職人の家に生まれました。昭和23年に尋常小学校高等科を2年で終えて親方に弟子入り、ルーファーとしての歩みを始めます。

昭和27~8年ごろになって、やっとトタンが市場に出回わってきました。木羽と比べてトタン葺きの作業効率は5倍以上。さらに木羽に割れるような良い木も減ってきたので、屋根は急激にトタンに変わっていきました。

そんな時期に出稼ぎで上京、板金の仕事を覚えてゆきます。屋根を葺くという作業を知りつくした斉木さんは、長年にわたり(株)小野エ業所の技術部門の責任者をつとめてきただけでなく、日本銅センターや日本建築学会において銅板屋根に関するマニュアルや仕様書の作成も担当してきました。小野工業所は多くの板金技能士を育成し、また同社が最も得意とする社寺建築の新築屋根をはじめとし、歴史的重要建築物の史実に基づいた屋根修復、改修エ事にも数多く携わってきました。

このインタビューは長時間に渡るものでした。限られた紙面に収めるには、かなり大胆にカットせざるを得なかったはずです。斉木さんはまだお元気だそうですから、改めて質問攻撃を仕掛けていきたいと思います。

銅板屋根とともに(下) その⑤

職人冥利

銅板屋根とともに②_ページ_4-2 鶴見総持寺三松閣

社寺建築の銅屋根とこういった建物での銅屋根は少し性格が異なります。社寺の銅屋根にも特有の難しさはありますが、うちには経験豊富な職人さんがたくさんいます。彼らは社寺については良く知っていますから、任せておいても大丈夫。私が出る幕は、ほとんどありません(笑)。ところが、今まで申し上げたような建物は、職人さんはそれほど経験できるわけではありません。こういう建物の屋根を銅板で如何に作り上げるかを考えるのが、私の仕事であったように思えます。

小野には設計の先生に気に入っていただいている職人が結構います。これは職人冥利に尽きることですが、これはこれで大変なんです。大森(健二)先生は気に入った職人の都合がつかなかったら、「俺はあの職人じゃなきゃダメだから」と言って、屋根の工期を1 ヵ月延ばしてしまいました。現場は屋根にシートを掛けたまま1 ヵ月ストップ。これには驚きました。忘れられませんね。

銅板屋根とともに②_ページ_4-1 相模ーノ宮寒川神社

あるお寺の住職さんから「あの人なら安心」と思われている職人の手が空かないので、「1ヵ月後なら」と申し上げたら、それでもいいということになって6 月一杯で終える予定の仕事が、これから着工という事態になってます(笑)。(注:インタビューは、平成15 年7 月に行いました。)

先生方に気に入ってもらえる職人というのは、技術が優れていることは当然ですが、自分たちがやっている仕事に対して、先生から「これは、どうなっているの? 」といった質問を受けたときに、丁寧に自分の仕事を説明する人のようですね。

若い人への期待

これまでにお名前をあげた以外にも谷口(吉郎)先生や内井(昭蔵)先生など様々な設計の先生方とお付き合いさせていただきましたが、先生方がやりたい形をこちらで読取っていこうとする姿勢が大切です。杉山(隆)先生などは、「俺の設計はいつも難しくてごめんなさい」などと笑っておられますが、そういう仕事をやらせてもらえたのは、やはり得がたい経験ですね。吉田五十八先生のお仕事で、先生の指名で当社が施工する仕事の模型をたまたま他の業者がやってしまったら、現場に来て一目見るなり「これは小野さんが作ったんじゃないね」と、すぐにうちの職人を人れて作り直し。こういったこともありましたね。

うちの若い社員も先生方とお付き合いを始めていますが、少し困ると[会社に帰って斉木と相談します」などとやっては「いつまでも斉木に頼っているようではダメだ」なんて言われているようです(笑)。でも、彼らは「この仕事が楽しい」と言います。同じ仕事でありながら全て変化しているから楽しい、と。難しい仕事でも何とかしようという気持ちで仕事をしていますから、私も彼らには期待しています。どう育っていくか楽しみです。

私たち専門業の技術者として、お客様(設計者)の描く構想に少しでも近付けられるように、研究と努力が必要かと思っております。

(完)

日本金属屋根協会機関誌「施工と管理」より転載

2013/03/27(水) 00:44:24|屋根|


「BOUSUIデジタルアーカイブ」防水歴史図書館

我が国の防水の歴史を考察する上でどうしても欠かすことのできない文献が何冊かあります。
防水歴史図書館(BOUSUIデジタルアーカイブ)では、そんな文献を1冊ずつ選び、本が書かれた当時の様子、おもな内容、その本のどこが「すごい」のか、現在生きる人たちにとって、どんな価値があるのか、それぞれの資料を担当するキュレーターが、時には執筆関係者への取材を交えて、分かりやすく解説します。

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